たちばな地区の野菜について

 川崎市高津区は、かつて広い農地が広がっていました。

現在の溝の口周辺の「久本」あたりは、多摩川が作った三角州になっており、「溝の口デルタ」と呼ばれる非常に肥沃な土地でした。また、江戸時代初期に開発された二ケ領用水による水路の整備によって、このあたりで取れる稲毛米は品質が高かったそうです。江戸時代には、近郊で生産される米の中で最高級に格付けされていたのが、武蔵国の稲毛米と川越米、安房国の長狭米の3つだったと言われています。

 

 川崎市「農業統計」によると、1985(昭和60)年に2323世帯だった農家数は、2010(平成22)年には1257世帯までに減少。現在では、中原区、高津区で稲作を行っている登録農家はゼロとなってしまいました。

 しかし、溝の口からまっすぐ南に向かって、横浜に接する久末地域では、たくさんの野菜が生産され、主に麻生区のセレサモスに出荷されたり、直売所で消費されています。

 

 メサ・グランデを運営しているNPO法人ぐらすかわさきは、2009年から川崎市高津区よりたちばな農のあるまちづくり事業を区から受託し、事務局を担ってきました。

 

その一環で、野菜の販売やブランド商品の開発、縁農イベントなども行う「たちばなブランド」事業を行い、2010年8月には、大山街道の洋菓子店『ケーキ大和』が、ニンジンを使った「おひさまキャロット」を発売しました。

 

 現在は「たちばな農のあるまちづくり推進会議」がその役目を担い、高津区役所・農生産者を含む市民・NPO法人が一体となり、川崎市高津区の農業を通じたまちづくりを行っています。

 

「たちばな農のあるまちづくり事業」とは

 高津区たちばな地区で展開されている「農のある暮らし」を次世代につなぐ活動です。

食と農を通じた市民交流から、2009年に次代のブランドを耕すための具体的な取り組みとして、スタートしました。「地参地笑(地域に参加し、地域を笑顔に)」を合言葉に、高津区の豊かな自然や農地、歴史スポットなどを楽しめるイベントなどを行なっています。

 

【たちばな農のあるまちづくり事業に関するお問合せ】

川崎市 高津区役所まちづくり推進部地域振興課

〒213-8570 川崎市高津区下作延2丁目8番1号

電話:044-861-3133 ファクス:044-861-3103

メールアドレス:67tisin@city.kawasaki.jp


縁農(えんのう)について

 地域の人々が、作物の植え付け・草取り・収穫などの農作業を通じ、生産者や参加者同士で繋がりあうことを目的として、全国的に拡がっている取り組みです。

 

 いま、都市型農業は慢性的に人手不足。繁忙期は、たとえ単発のお手伝いであっても、貴重なマンパワーになります。私たちが住んでいる、ここ「かわさき」の農を次世代に残していく活動として、年に数回、農作業ボランティアを行っています。近年では社内研修活動の一環として、参加して下さる企業さんもいらっしゃいます。

★ボランティア募集について(一時休止中)

 コロナ禍となり、縁農の開催は一時休止しております。(再開時期未定)

開催が決まった場合は、ホームページやSNSなどでご案内いたします。