メサ・グランデが生まれたきっかけ

●はじめの一歩

  2011年~2012年度にかけて、神奈川県の「新しい公共」の場づくりのためのモデル事業として、『かわさき・みんなのキッチン推進協議会』(川崎市経済労働局・川崎商工会議所・NPO法人ぐらすかわさきで構成。)が発足し、コミュニティビジネスの起業家を支援し、食を通じた人と人の出会いの場を作るためのプロジェクトを開始しました。

 

 「新しい公共事業」とは、従来は官が独占してきた領域を「公(おおやけ)」に開き、市民・NPO・企業等が連携し、国民の多様なニーズにきめ細かく応えるため、ともに支えあう仕組み、体制を構築しようとするもの。

 

 このプロジェクトでは、 かわさき・みんなのキッチン推進協議会が「ワンデイシェフ・スペースレンタル・コミュニティビジネス起業支援」事業を運営。NPO法人ぐらすかわさきは「八百屋・惣菜・家庭科カフェ」事業を、独自に運営しました。

 

 ※新しい公共事業は2013年3月で終了し、現在は、NPO法人ぐらすかわさきが単独で事業の一部を引き継ぐ形で運営しています。

●メサ・グランデの誕生

 私たちが暮らす川崎は、都心までわずか数十分の便利な住宅街。だけど近所には、今も畑が点在しています。農家さんが一生懸命に守り、作り継いできたお野菜は、種類が豊富でとても元気です。

 

 素敵な農家さんが私たちのそばにいることがあまり知られていない。野菜不足、孤食、朝食をとらない、食の安全の確保など、食に関する問題はたくさんあります。

  

 

 そうした問題に対して、「地域」ができることがあるのではないか?という思いから、2012年4月1日、川崎市の武蔵新城駅近くで「八百屋&コミュニティカフェ メサ・グランデ」をスタートさせました。

 

  「メサ・グランデ」は、スペイン語で「大きなテーブル」という意味。

 大きなテーブルを囲んで、食を楽しみながら地域や人がつながる、というイメージから、この言葉を店名に選びました。

オープン当初のメサ・グランデの外観


 

 メサ・グランデは「食」を通じた地域コミュニティづくり、誰もが住みやすい地域社会づくり、そして地域の問題点を解決するビジネスの起業を支援し、女性や若者の就業支援機能が発揮できる場になることを目的としています。

●「食」でうまれるつながりと「場」のチカラ

 

 地域の農家さんが丹精込めて育てた新鮮野菜が毎日届くこと。

そのお野菜を中心にした、安心で美味しいご飯を食べてほしいと心を込めて手作りすること。

 

 地域の方の「やりたい」が実現できる機会になり得ていること。

それら含めて地域の交流の場になっていること。

 

  それらから沸き起こる「気」が、心地よいエネルギーとなりメサ・グランデを包んでくれている。

メサ・グランデの居心地の良さは、そうした「場」のもつチカラなのかもしれません。